読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

tsukiyomidou’s blog

月よみ堂の店主です。「本やお酒にまつわるあれこれ」について書いています。

「一番好きな酒と本」のはなし

日々「酒が好きだ」と豪語していると

(いや、豪語しているつもりはないのだけれど)

よくされる質問が

「一番好きなお酒は何?」です。

 

毎度のことながら、

どう答えたらよいものかと、困ってしまう。

 

一番、、、

一番って難しい。

 

これまでの人生において「呑んだ量」でいえば、

一番は間違いなくビール。

ビールの無い人生は想像できないし、

ビールがなくては、酒の時間は始まらない。

 

でも、一番か?と問われると、

なかなか自信をもって頷くことができない。

(ごめんよ。ビール)

 

では、日本酒か?

というと、これもまた首をかしげてしまう。

確かに、和食が好きなので、

おのずと日本酒を飲む機会は多いわけで。 

ぬるめの燗とおでんは最強の組み合わせだし、

刺身の後にながしこむ日本酒は格別だ。

夏のきりりと冷えた冷酒も堪らないし、

蕎麦屋で昼から呑む日本酒は、幸福の象徴である。

 

云々…と挙げていたらきりがないくらい、

好きです。

好きなのです。

 

勿論、ワインだってそう。

 

それに、ウイスキー

これがないと一日を終わらせられない。

気に入りの場所で一人しっぽり呑るウイスキー

香りを愉しみ、口に含み味わう。

喉元を駆け抜けるその熱さ。そして広がる余韻。

堪りませんね。

一人ウイスキーと向き合う時間も好きだけれど、

親しい相手過ごすときのウイスキー

馴染みのBarでおしゃべりを楽しみながらのウイスキーも、

全部好きです。

 

このように挙げてると、

つまるところの答えは「一番なんて決められない」

なんです。

  

これは、本においても同じことが言える。

お店を開いてからというもの、

やはり「一番好きな本は?」

と良く聞かれるけれど、

これも、即答できない質問です。

 

擦り切れるほど、沢山読み返してきた本。

(実際、ボロボロになって買い直した本もある)

普段は、思い出さないのに、

ある時無性に読みたくなる本。

冬になると読みたくなる本。

夏の夕暮れに読みたくなる本。

逢いたい人がいる時に読みたくなる本。

全部、大切で

全部、好き。

 

結局、その時の気分や、時間帯、季節や環境

そういうものに振り回されながら生きている。

ということなのかもしれません。

動物的だな。と思う。

 

「今選んだものが、今一番好き」

それでいいのだ。

 いいとは思うけれど、

毎度こんな長い回答をするわけにはいかないので、

実は未だに困っています。

 

でもね、

同じように

「一番好きな作家は?」

と聞かれることも多く、

これについては、

 

「好きな作家はたくさんいるけど、

 一番一緒に酒を呑みたい相手は吉田健一かな」

と答える事にしています。

 

酒や本についても、

一言で伝えられるスマートな答えを

見つけ出せるといいのだけれど。